ヒートポンプとは?その基本と省エネ方法

ヒートポンプは「熱のポンプ」

よく「ヒートポンプって何ですか?」とご質問を頂きます。ヒートポンプは一見するととても難しい仕組みのように感じられますが、行っていることは至極単純です。本コラムでは、小難しい構造よりも、ヒートポンプの基本的な役割と、省エネに関わる要素を説明していきます。

ヒートポンプとは、名前の通り「熱のポンプ」です。まず一般的なポンプを考えてみましょう。
水は高いところから低いところには自然と流れますが、逆には流れません。そこで低いところから高いところに水を移動させるには、ポンプを使って汲み上げてやる必要があります。
実はヒートポンプも同じです。熱は、温度が高いところから低いところには自然と移動します。逆は自然には起こりません。ヒートポンプは、熱を低いところから高いところへ汲み上げる装置なのです。

ヒートポンプは様々な場所で使われています

ヒートポンプは、身近なところで沢山使われています。代表的なのはエアコンです。暖房の際は、室外の熱を室内に汲み上げて温めます。夏は逆に、室内の熱を室外に汲み上げることで、室内を冷やします。
冷蔵庫もヒートポンプの仲間です。庫内の熱を外に汲み出します。
エコキュートもヒートポンプです。外気から熱を汲み上げて、水に熱を移動させてお湯を作ります。
いずれの用途においても、わずかな電力で多くの熱を供給できることが非常に大きなメリットです。

ヒートポンプの構造

ヒートポンプの構造を簡単にご説明します。水のポンプと同様、電気を使って動かすものが一般的です。(GHPなど、燃料を使うヒートポンプもあります。)
ヒートポンプの中には、冷媒ガスが充填されており、それが圧縮機によって圧縮され、膨張弁で減圧されるサイクルを繰り返しています。ガスに圧縮・減圧が起こると、温度もそれに伴って変化します。この性質を利用して、ヒートポンプは熱をガスに乗せて移動させています。
結果として、圧縮機の動力として投じた電力以上に大きな熱を供給することができます。
ヒートポンプに電気(燃料)を1kW投入したとき、何kWの熱を供給できるかを表す指標を、COP(成績係数)と呼びます。条件によりますが、ヒートポンプのCOPは3以上となる場合が多く、非常に効率の良い技術です。

ヒートポンプの構造(ヒートポンプ・蓄熱センターHPより)

ヒートポンプは必ず「熱源」が必要

ここで重要な大原則があります。ヒートポンプは、必ず「熱源」が必要なのです。何もないところから熱が生まれるわけではありません。
ヒートポンプが熱を供給するには、どこかから熱を頂かなければなりません。そして、熱を頂いたらその熱源は冷えます。ヒートポンプが加熱をしたら、熱源は冷える。ヒートポンプが冷却をしたら、熱源は温まる。この熱源をいかに確保するかが、ヒートポンプの省エネ化にとって非常に重要な要素となります。

理想は、なるべく熱量が多く、熱源と供給先の温度が近いこと

ヒートポンプの省エネ化を検討する場合、まず第一に考えるのは「熱源」です。ここで理想的な熱源を考えてみましょう。
多くのヒートポンプは、空気または液体を熱源としており、前者は「空冷」、後者は「水冷」ヒートポンプと呼ばれます。
なるべく多くの熱を保有している方が良いのですが、空気と液体では、体積あたりの熱保有量は液体が圧倒的です。同じ温度条件ならば、水などを熱源にした水冷ヒートポンプの方が、効率面では良いといえます。
次に考えるのは、熱源と熱供給先の温度差です。水のポンプは、汲み上げる高さが低い方が、少ない電力で動きます。ここでもヒートポンプは水ポンプと同様です。
熱源の温度がなるべく供給先と近い方が、消費電力は抑えられます。しかし、例えばエアコンを考えてみると、外が寒いから暖房をつけるわけで、外と中の温度差を大きくしたいからエアコンを使うわけです。
そこに矛盾が存在してしまいます。

地中熱・地下水熱・熱回収ヒートポンプの価値

地中熱・地下水熱・熱回収ヒートポンプの価値は、まず水・液体を熱源にしているためコンパクト・高効率であること、そして何よりも、熱源温度が供給先温度と近いことにあります。
空調に地下水を用いた場合、夏は外気を熱源にするよりずっと室内の吹き出し温度に近く、冬も外気より暖かいので吹き出し温度に近いのです。これが省エネ化を実現する理由です。
加熱需要が大きい場合は、まだ熱を十分保有している排温水などを熱源とすることで、高い効率と無駄の削減が実現できます。

ヒートポンプの計画には、熱源環境の正しい設計を!

地下水や排熱を利用した水冷ヒートポンプに限らず、ヒートポンプの導入時には、熱源設計が極めて重要です。よりヒートポンプの恩恵を受けられるように、積極的に熱源設計の概念を取り入れていく必要があるのです。

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